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14.凶方位の種類

 凶方位には実にたくさんの種類があって、それそれの特徴を正しく理解しなければいけません。すべての凶方位に足を踏み入れないようにすれば全く問題はないのですが、吉方位とくらべると凶方位の方が物理的に数が多い上、移動の多い現在社会に生きる皆さんにとっては完璧な凶方位の回避というのは不可能といえるでしょう。そこで、凶方位を重要度別にご紹介しますので最低限守るべきことだけは理解して下さい。
凶方位 凶方位の種類 凶方位の位置 補記
2大凶方位 五黄殺 五黄土星のまわる方位 全員共通
暗剣殺 五黄土星の反対側にまわる方位 全員共通
4凶方位 本命殺(月命殺) 自分の九星がまわる方位 九星ごと
本命的殺(的殺) 本命殺(月命殺)の反対側にまわる方位 九星ごと
歳破(月破) その年(月)の干支の反対側の方位 全員共通
土用殺 土用期間中にその月の月破の反対側の方位 全員共通
その他の凶方位 小児殺 その年の干支ごとに特定の方位(小児殺一覧表参照) 12歳以下
上記以外で相剋の関係にある方位 九星ごと
 何といっても凶方位といえば、真っ先に挙げられるのが「五黄殺」と「暗剣殺」の2つで、これを2大凶方位と呼んでいます。「五黄殺」は方位盤に五黄土星が回った方位のことで、すべてを腐らせ土に帰すという五黄土星の強力な凶作用を発します。これは五黄土星の「九星」をもった人が特別不幸というわけでは決してなく、本来中宮に定位している「五黄土星」が各方位にまわると「腐敗」という特性が出てくるという意味ですので、「五黄土星」が中宮のときに生まれた「五黄土星」の方にとって特別に悪いということではないのです。 他の「九星」の方同様「五黄土星」の方にとってもこの「五黄殺」にあたる方位は凶方位であり、後述する「本命殺」と重なるために最大凶方位となりますので、「五黄殺」の方も同様に注意が必要です。 

そして
2大凶方位のもうひとつ「暗剣殺」は、暗闇から突然剣で切りつけられるような特性をもっており、「五黄殺」のまわる方位の正反対の位置(「五黄殺」が北だったら「暗剣殺」は南)にまわります。「五黄殺」はどちらかというと自滅的にゆっくりと滅びてゆくのに対し、「暗剣殺」は自分に過失はなくとも他人から一方的に傷つけられ、短時間に被害を受けるといった特徴を現わします。ちょうど「五黄殺」がノイローゼや成人病など内部からゆっくりと侵されていくような病気になることが多い方位で、一方、交通事故に遭ったり海外で不当逮捕をされたりとなどといった突発的な事故は「暗剣殺」の方位で非常に起こりやすいのです。

 この
2大凶方位だけは確実に命に関わる影響をうけますので、どんなことがあっても絶対に避けなければなりません。この2つの方位はすべての人に共通の凶方位ですので、例えば2001年は西南方向が「五黄殺」で東北方向が「暗剣殺」ですが、どの「星」の人でも全員に対して西南と東北は凶方位となるのです。尚、五黄土星が中宮にまわった年だけは「五黄殺」「暗剣殺」ともなくなりますので、その分吉方位が多い年となります。
 次に、命を落とすことはなくとも人生を台無しにしてしまうような凶作用にみまわれ、やはり重要度の高い方位(4凶方位)をご紹介します。 

 まず、方位盤で自分の「九星」がまわっている方位を「本命殺(月命殺)」と呼び、強い凶作用をもっています。自分の方位なのになぜ凶方位なのかと疑問に思うかもしれませんが、「九星」も「五行」も全く同じ方位をとると、自分自身のすべてを「星」に包まれてしまい、まわりの「気」を寄せ付けない状態になります。そうしますと「九星」がバランス良く配分されている環境の中でひときわ自分自身の「星」だけが浮き立ってしまい、まわりが見えない状況に陥ります。その末、自分自身は楽しいが周りとはまったく波長が合っていないといった孤立した環境に身を置かれるようになり、一瞬その輝きを発するものの、まわりの吉作用も凶作用もまったく吸収できない体質ができあがってしまい、やがて養分のない樹木のように朽ち果ててしまう運命になるのです。

 年盤では「本命殺」、月盤では「月命殺」と呼んで区別しておりますが作用は同じです。そしてこれは「本命殺(月命殺)」の反対方位にもその作用が及ぶため、その方位を「的殺」と呼んで同様に強い凶方位として避けられています。「的殺」は通常、月盤上での呼び方で年盤では「本命的殺」と呼んでいます。この
2つは前述の「五黄殺」や「暗剣殺」と違って「九星」ごとに位置が異なりますので注意して下さい。
 

 3つ目の凶方位は「歳破(月破)」で、やはりすべてのひとに共通する方位となります。他の凶方位が9年周期で方位盤を回っているのに対して、この凶方位は12年周期で方位盤をまわります。というのは「歳破」が現われるのはその年の干支のまわる方位の反対方位であるためで、干支の方位は中宮がないため単純に方位盤を一周しています。ですから干支が「子」の年の場合、「子」は常に北ですから、その反対方位の南がその年1年間「歳破」の方位となるのです。同じように月盤上でもその月の干支が存在するため、その反対方位には「月破」がまわります。同様にして日盤上にも「日破」が存在します。
 

 これら「破」の影響は「破壊」「破滅」といった言葉からも連想されるとおり、すべてを壊し滅ぼすといった特徴をもつため、この方位を使うと強い凶作用を受けてしまいます。

 とくにこの「破」は他の凶方位とは別の動き方をするために、他の凶方位(「五黄殺」「本命殺」など)とたまたま同じ方位にまわり重なることがあります。この重なったときの凶作用はすさまじい威力をもっており、それぞれの凶作用を最大限にまで高めますので、「破」が単独で回っているときはもちろんのこと、他の「凶方位」と重なったときなどは、絶対にその方位を侵すことは避けなければなりません。 

 「子」の年にはその反対方位の「午」すなわち南に「歳破」がまわり、翌年の「丑」の年には反対方向の「未」に歳破がまわるため、南西方位全体ではなくその半分の「未」の部分だけが「歳破」であるとも読み取ることができます。しかしここでも「艮」の反対方位の「坤」として拡大解釈しますので、「丑」の年の歳破は南西方位全体であると解釈しなければなりません。つまり、東西南北に「歳破」は
1年ずつ回りますが、東北・東南・西南・西北にはそれぞれ2年ずつ回りますので8方位を一周するのには12年かかるということになるのです。
 

 次にご紹介する凶方位は「土用殺」と呼ばれるものです。「気学」の流派によってはこの「土用殺」を無視しているものもありますが、実証例が多いため当研究所では凶方位として扱っています。この「土用殺」は少々複雑で、まず「土用」について理解しなければなりません。「土用」はよく
720日前後にうなぎを食べる日として知られておりますが、実はこの「土用」の期間というのは年に4回もあります。しかも1回の日数は1819日間もあるため、実に年間に72日前後もこの「土用」の期間にあたるのです。もともと「土用」は季節の変わり目の「気」が変化する時期のことをいい、特に土を動かすことに強い凶作用をもつ期間とされてきました。現在でも上棟式などはこの「土用」期間には行なわない建築会社がたくさんあり、事実この期間に増改築や庭の整備などを行なって強い凶作用を受けたという例はたくさん報告されています。

 方位取り(祐気取り)についても全方位に対してこの土用の期間は避けた方が無難であり、吉方位を取っても効果が半減してしまい、また凶方位を取った場合は凶効果が
1.5倍〜2倍となって現われてしまいます。そして上記「土用」の中で特に気をつけなければならないのが「土用殺」と呼ばれる「月破」と正反対の方位です。これは月間を通して現われるのではなく、あくまでも「土用」期間中に限定して現われ、「五黄殺」と「破」が組み合わさったような強い腐敗作用を伴います。本来であれば「土用」期間中はすべての方位について方位取り(祐気取り)は避けた方がよいのですが、どうしても日程の調整がつかないという場合は、この「土用殺」だけは最低限避けるようにしましょう。この「土用殺」も全員に共通の方角に現われますので、集団でこの方位を使ったりすると全員に凶作用が降りかかりますので特に注意しましょう。
 「土用」の期間は年によって若干の誤差があるもののおおむね、

 117日〜24
 417日〜55
 720日〜87
 1020日〜117

の期間に該当致します。(詳しく知りたい方は
100年土用暦をご覧下さい)

100年土用暦

 ということはゴールデンウィークと夏休みの前半がこの「土用」に入りこんでいるため、家族旅行などで「土用殺」の方向に行ってしまった場合は、数年後には間違いなく家族崩壊といった惨事が襲いかかります。「土用殺」に行かずともこの土用期間には海外旅行などは避けて家の近所で土に触れないようにしてゆっくり過ごすことが危険を避ける最良の方法といえます。 

 上記の凶方位(
2大凶方位と4凶方位)の他に、方位盤で空欄になっている部分がありますが、これは吉凶どちらにも属さないという意味ではなく、名前はついていないものの相剋にあたる関係、すなわち凶方位となります。2大凶方位や4凶方位のように決定的な凶作用はありませんが、確実に運気を低下させる方位ですので、基本的にはこれらの方位は避けるようにして下さい。また、方位盤によっては2大凶方位と4大凶方位、計6種の凶方位のうち2つないし3つが重なっているときがあります。この方位は特に凶作用が強い「最大凶方位」となりますので、絶対に侵さないようにして下さい。


 さらに、数え年で
12歳以下の子供にのみ影響する「小児殺」という方位が存在するため、もしも子供と一緒に方位取りや祐気取りを行なう際には注意が必要です。子供は環境の影響(「気」の影響)を特に受けやすいため、すでにご紹介した凶方位に加えてこの「小児殺」という特有の凶方位の影響までも受けてしまいます。下記に「小児殺早見表」を記しましたのでお子さんをお持ちの方は、ご自身の方位表に書き加えておくようにしましょう。最近特に幼児虐待などの事件が増えてきたのも、親子で海外旅行やドライブなどに行って強烈な凶作用を受けてしまっていることが考えられます。特にこの「小児殺」は子供の運気を強烈に下げますので、親が吉方位だからといって安心せずに最後に必ずこの「小児殺」に入っていないかを確認してから方位取り(祐気取り)をするようにして下さい。
小児殺一覧表
干支 えと 西暦 小児殺の方位
子年 ねずみ 2020年 2008年 1996年 1984年 1972年 1960年 1948年 1936年 八白土星
丑年 うし 2021年 2009年 1997年 1985年 1973年 1961年 1949年 1937年 九紫火星
寅年 とら 2022年 2010年 1998年 1986年 1974年 1962年 1950年 1938年 二黒土星
卯年 うさぎ 2023年 2011年 1999年 1987年 1975年 1963年 1951年 1939年 三碧木星
辰年 たつ 2024年 2012年 2000年 1988年 1976年 1964年 1952年 1940年 五黄土星
巳年 へび 2025年 2013年 2001年 1989年 1977年 1965年 1953年 1941年 六白金星
午年 うま 2026年 2014年 2002年 1990年 1978年 1966年 1954年 1942年 八白土星
未年 ひつじ 2027年 2015年 2003年 1991年 1979年 1967年 1955年 1943年 九紫火星
申年 さる 2028年 2016年 2004年 1992年 1980年 1968年 1956年 1944年 二黒土星
酉年 とり 2029年 2017年 2005年 1993年 1981年 1969年 1957年 1945年 三碧木星
戌年 いぬ 2030年 2018年 2006年 1994年 1982年 1970年 1958年 1946年 五黄土星
亥年 いのしし 2031年 2019年 2007年 1995年 1983年 1971年 1959年 1947年 六白金星


 上記のように凶方位にはたくさんの種類がありますが、相生・相剋の関係からは吉方位となっていても、凶方位が重なって同じ方位にまわっている場合は凶方位が優先されてしまいます。ですから、実際には吉方位より凶方位のほうがはるかに数が多いので、常に気をつけていないとすぐに凶方位を侵してしまうことになるのです。

 最後に凶方位を避ける方法についてご説明します。これについては昔から「方違え」といって一度吉方位ヘ行ってから凶方位へ向かうと良いといわれていますが、これは数ヶ月間の「方違え」をして、すっかり居住地の「気」が移ったあとに移動するという引越しのときの仮住まいとしてつかわれる手段なのであって、短期間の流行などで数日間この「方違え」をしてもまったく効果はありません。これは気学の理論に照らし合わせてみれば明らかで、あくまでも居住地の「気」と移動先の「気」の関係を考えるのが気学の原則なのですから、転居をして「気」が移らない限り、この方法で凶作用を軽減させることはできないのです。ですから、凶方位にはできるだけ短く滞在して「気」を受けている時間を極力短くするしか方法はありません。凶方位の現地ではできるだけ水や特産物を口にせず、温泉なども避けて「気」に触れない工夫をして下さい。水あたりや食あたりが起こるのは必ずこの凶方位のときです。取り返しのつかない病気や怪我に見舞われないように現地での過ごし方には細心の注意が必要なのです。 

 とはいってもどうしても凶方位に行かなければならないときというのはあります。そんなときはどうしたらよいのでしょうか。実のところ最良の方法というのはないのですが、強いて言えば水晶を使った回避策がありますのでご紹介しましょう。

 昔より水晶を身につけると邪気が払われ凶作用が軽減するといわれています。水晶というのは使った方位の「気」が純粋に吸収されてしまいますので、吉方位へ身に付けていった場合はそれ以降吉作用を吸収し、凶方位へ行った場合にはそれ以降凶作用を吸収して身につけている限りその影響を受け続けるのです。したがって一般には吉作用を吸収させるために使っていただきたいのですが、どうしても凶方位へ行かなければならないときの裏技として、十分に吉作用を吸収した水晶を身につけて凶方位へ行くと3日間まではある程度その水晶の吉作用に守られ凶作用は軽減できます。しかしその水晶は吉作用と引き換えに凶作用をぐんぐん吸収しますので、この方法で水晶を使ったあとは処分しなければならないのです。これはそのままその水晶を使い続けると吸収された凶作用の影響を受けてしまうからです。処分したくない場合は、吉方位を十分吸収させればまた同じように使えるのですが、凶作用が抜け切れるまでは身に付けることができないので持ち運んで吉方位で太陽に当てるなどして体に影響のないように「気」を吸収させて下さい。水晶は必ず肌に触れるように身に付けることと、この場合の水晶は紫水晶やローズクオーツのような色水晶ではなく、透明な水晶(クリスタル)を使うことが鉄則です。
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